発酵食品といえば、みなさんはどんな食品を思い浮かべますか?
きっと醤油や味噌、納豆を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
他にも米麹、味醂、塩辛、漬物、甘酒、くさや・・・とたくさんの発酵食品がありますね。
身近なものですと、烏龍茶や紅茶、ヨーグルト、チーズ、パンなどが挙げられます。
発酵させることでタンパク質やデンプンなどが分解され、栄養価がアップするうえ、新しいおいしさが生まれる食品も多いです。
・・・というわけで(無理矢理つなげますが)、今回はベトナムの発酵食品をご紹介。
調味料やお漬物、お酒などベトナムの発酵食品はとてもたくさんあると思いますが、思いついたものを5つ書いてみました。
1.ヌックマム(Nước mắm)
ベトナムの発酵食品(調味料)といえば、ヌックマム(Nước mắm)。
「nước」は水(国家という意味も)、「mắm」は塩漬けにしたものという意味。
漬けダレや煮込み料理などに幅広く使われる、日本の醤油のような役割をもつベトナム料理で重要な調味料です。
タイのナンプラーと原材料・作り方はほぼ同じですが、ナンプラーのほうが熟成期間が長く、塩気が強いです。
※ヌックマムの熟成期間はおおむね6〜12ヶ月、ナンプラーは12〜18ヶ月
料理例
ベトナム風魚の土鍋煮、カーコート(Cá kho tộ)。
魚(雷魚やナマズが使われることが多い)をヌックマムなどの調味料に漬け込み、土鍋でグツグツと煮込んだ料理です。
甘辛い味が染みた煮魚は白いご飯との相性抜群です!
2.マムトム(Mắm tôm)
においが強烈な海老の発酵調味料、マムトム(Mắm tôm)。
「tôm」はベトナム語で海老の意味。
怪しい紫色をしたその調味料は、ベトナム人でも苦手という人がいるほど。
個人的には、イカの塩辛が好きな方はお口に合うのではないかなあと思います。
料理例
ブンダウマムトム(Bún đậu mắm tôm)。
ブン(細米麺)、揚げ豆腐、ゆでた豚肉、きゅうりや香草などをマムトムで食べる、ハノイの名物料理です。
マムトムに金柑の搾り汁と油を加え、納豆のように泡立つまでよ〜くかき混ぜます。
3.マムカー(Mắm cá)
クセのあるにおいが個性的な魚の発酵調味料、マムカー(Mắm cá )。
メコンデルタ地域の都市・カントー(Cần Thơ)やチャウドック(Châu Đốc)の特産物です。
魚はカーサック(Cá sặc、グラミーフィッシュ)やカーリン(Cá linh、コイ科の魚)が使われることが多いようです。
料理例
マムカーとレモングラスの風味が効いた汁麺、ブンマム(Bún mắm)。
海老、イカ、白身魚、さつま揚げ、表面を揚げた豚バラ肉、茄子と具だくさん!
太めのブン(米麺)が使われていて、癖がありますが、濃く旨味のあるスープがおいしい麺料理です。
4.ベトナム版・高菜の漬物(Cải chua)
ベトナム版高菜の漬け物。
ホーチミン市のスーパーでは「Cải chua(カイチュア)」という名前で売られていました。
他に「Dưa chua(ズアチュア)」や「Dưa muối(ズアムォイ)」などさまざまな名前で呼ばれています。
料理例
揚げ魚の下に敷いてあり高菜の炒めもの。
高菜の酸味と歯ごたえが、箸休めに良かったです。
5.ネムチュア(Nem chua)
ベトナム北部・タインホア省特産の発酵ソーセージ、ネムチュア(Nem Chua)。
生の豚肉に豚皮の千切り、炒った米粉、ヌックマム、唐辛子、ニンニクなどを加えてよく混ぜ、バナナの葉に包んで発酵させた食品です。
ビールのおつまみにぴったりで、油で揚げた・ネムチュアザン(Nem chua rán)もあり、こちらは酸味がやわらいで食べやすくなっています。
【番外編】ブン(Bún)
ベトナムでフォーよりも身近に食べられている麺、ブン(Bún)。
☆関連記事
ベトナムの国民食、ブン(bún)を使った麺料理10選
米粉を溶かした生地をところてんのように丸穴から押し出し、茹でて作られます。
「あれ、このブン、少し酸っぱい・・・?」と1度感じたことがあるのですが、ブンは製造過程で微発酵させるのだと本で読んで知りました。
腸内環境を整え、免疫力を高めるといわれている発酵食品。
ベトナム人女性に健康的でスリムな人が多いのは、新鮮なフルーツやハーブ、そして発酵食品を日々の生活に多く取り入れている(発酵食品が多いのは日本も同じですが)からかな?と考えていました。